注目の「ストレスチェック制度」の実施により、中小事業所の負担、労働者への不利益が生まれることは、避けては通れない課題のひとつです。労働法規に因る規制緩和や撤廃が求められている中、規制強化というのは、手放しに歓迎します!とは言えないのも現実です。

中小企業で注意したいこと

メンタルヘルス対策を先行して進行させてきた大企業の場合には、ストレスチェックでひっかかった労働者が、医師面接を受けるということに対しては、同僚からの視線、そして、面接にかかるコストについても、それほど心配はありません。しかし、これが中小企業だった場合には、不利益な取扱いは禁止されているにも関わらず、退職に持ち込まれたりするという可能性は現実的には「ある」と言えるでしょう。そのため、ムリをする労働者が出ることも想定の範囲内のことです。

ストレスチェック制度の目的は職場環境の整備

そもそも、「ストレスチェック制度」は何のために行われるのか、という点にフォーカスしてみましょう。この制度は、病人探しではないのです。労働者が、肉体面だけでなく、精神面でも健康に、そして生き生きと働くことが可能になる職場環境の整備を目指しているのです。

事業者としては、会社の職場環境の改善のために、経営のトップがその目的について、労働者にしっかりと伝えることが大切になってきます。そうすれば、労働者は本当のことを申告し、正しい効果へと導いてくれるはずです。最後は、事業者である会社と労働者との信頼関係ということに繋がっていくのではないでしょうか。

(編集:創業手帳編集部 / 監修:合同会社パラゴン|櫻澤博文