ストレスチェック制度Q&A|衛星委員会等の審議で産業医によるアドバイスのポイントとは?

須藤 玲素子(26)
先生!ストレスチェック制度にかかるコストの負担について教えてください!


先生(52)
わかりました、玲素子さん。詳しく解説しましょう!

ストレスチェックの実施においては、実施を委託する費用と面接指導の費用がかかる。そして、実施が事業者の義務である以上、そのコストを労働者に負担させてはいけないんだ。
 

1.実施する前に審議しておくべきポイントとは?
ストレスチェックは平成27年12月1日に開始されたばかりだから、事業者も労働者も段取りはよくわかっていない状態だよね。
だから、衛星委員会等で事前にしっかりチェックして、委員全員で共通意識を持つ必要があるんだ。
会議において産業医が実施者である場合は実施者の立場からアドバイスをもらうことになる。産業医が実施者でない場合は、実施者に衛生委員会等に出席してもらい、以下の項目についてアドバイスや指示をもらう必要があるんだ。

  1. 実施者の選定
  2. ストレスチェック実施時期
  3. 調査票の質問の構成
  4. 調査票配布媒体・回収方法
  5. ストレスチェックの実施時間帯(就業時間内の実施可否)
  6. 結果集計と個人別結果送付の実施担当者・実施時期・実施方法
  7. 高ストレス者の判定基準
  8. 高ストレス者へのアクションと実施担当者
  9. 高ストレス者の面接指導の申出方法
  10. 面接指導の実施時期・実施担当者・実施時期
  11. 面接指導のICT活用可否
  12. 面接指導の結果必要となった場合の就業上の措置の進行方法
  13. 高ストレス者で面接指導を希望しない場合のフォローの実施担当者・実施内容
  14. 集団ごとの集計・分析の実施担当者・実施時期・実施方法
  15. 集団ごとの集計・分析結果の取り扱い時の注意事項
  16. 集団ごとの集計・分析結果の職場改善に向けての活用方法
  17. ストレスチェック結果の保管の実施担当者・保管方法
  18. ストレスチェックの趣旨、運用方法の周知実施担当者・周知方法
  19. ストレスチェックの実施に関する進捗状況、結果報告の内容

これらのことを決定する際には産業医も出席の上で議論を進める必要があるんだよ。

2.産業医と特に連携が必要なケースとは?
ストレスチェックの実施についてほとんどの部分は産業医の関与なしに進行できるけど、面接指導の結果を受けて決定する、「就業区分」と「就業上の措置の内容」については産業医の意見を聞く必要がある。
指針では事業者は、次のようなケースで産業医と連携する必要があると規定している。

  1. 就業上の措置と実施について労働者の意見を聞く時には産業医が同席する
  2. 就業上の措置の実施・内容の変更・解除をする場合には産業医の意見を聞く
  3. 労働者のストレス状態が改善された場合は通常の勤務に戻すなどの措置をとる場合は産業医の意見を聞く

業務に従事できる健康状態でないと推測される労働者に対しては、産業医が最も専門性のある医師なんだ。だから、面接指導の医師が産業医でない場合は、面接指導の結果を産業医に適切に伝えられるよう、予め産業医と打ち合わせをしておく必要があるんだよ。