ストレスチェック制度Q&A|面接指導の申出を行なった高ストレス者が事前に保健師や看護師に相談した場合、事業者は面接指導を省略できる?

須藤 玲素子(26)
先生!面接指導の申出を行なった高ストレス者が事前に保健師や看護師に相談した場合、事業者は医師による面接指導を省略できますか?教えてください!


先生(52)
わかりました、玲素子さん。詳しく解説しましょう!

面接指導の申出を行なった労働者が事前に保健師や看護師に相談した場合でも、事業者は医師による面接指導を省略することはできないんだ。
 

1.医師による面接指導とは?
事業者は、検査を行なった医師等が心理的な負担が重く面接指導を受ける必要があると認めた労働者が、ストレスチェック結果の通知を受けて面接指導の申出を行なった場合には労働安全衛生法66の10Ⅲ前段の定めるところにより、「医師による」面接指導を受けなければならないんだ。
だから、労働者が保健師や看護師に相談した場合でも面接指導とはみなされず、事業者は労働者に別途医師による面接指導を実施する必要があるんだ。

2.医師以外の心理職による相談対応とは?
面接指導の申出を行なうと、メンタルヘルスチェック結果が労働者の同意を得ることなく事業者に提供されるから、高ストレス者の中には面接指導を受けない人がいると考えられるよね。また、面接指導の申出が殺到したら1人ひとりの面接指導に充てる時間は少なくなってしまうから、面接指導以外で一定のスクリーニングを行なう必要がでてくる。
そうしたケースに対応するために面接指導以外にも心理職(産業医、保健師、看護師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、臨床心理士等)による相談対応を行なうことが望ましいんだ。
だから面接指導の申出の有無に関わらず、心理職による面談を受けられる運用が考えられる。ただし、心理職による面談によってストレスチェック結果を事業者に提供する場合には労働者の同意は必要になるんだよ。
また相談対応を行なった心理職は産業医と連携して、労働者本人の意向を踏まえて情報の管理・提供を徹底する必要があるよ。