ストレスチェック制度Q&A|ストレスチェックや面接指導の結果が漏えいした場合、どんな責任を負う?

須藤 玲素子(26)
先生!ストレスチェックや面接指導の結果が漏えいした場合は誰がどのような責任を負うのか教えてください!


先生(52)
わかりました、玲素子さん。詳しく解説しましょう!

ストレスチェックや面接指導等の結果が漏えいした場合、結果を保存していた者が対象の労働者に対して民法709により損害賠償責任を負うことになるんだ。保管場所のセキュリティに問題があった場合は、事業者も責任を負う可能性があるんだよ。
また、ストレスチェック実施事務者が漏えいした場合は、漏えいした者が守秘義務違反として6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があるよ。
 

1.ストレスチェック結果や面接指導の結果の漏えいによる損害賠償責任とは?
ストレスチェックや面接指導の結果が漏えいした場合は、保存担当者が対象の労働者に対して民法709により損害賠償を負うことになるんだ。ストレスチェック結果の保存義務についてはストレスチェック結果は誰が保存義務を負う?を参照してね!
また、指針によりストレスチェックの保存に関しては事業者が記録の保存場所の指定やセキュリティの確保等の必要な措置を講じなければならないから、保存方法や保存場所に問題があった場合は事業者も責任を負う可能性があるんだよ。

2.情報漏えいに関する裁判例
保管していた顧客情報の氏名・住所等が外部に漏えいした平成18年5月19日判決のYahoo!BB顧客情報流出事件では、裁判所は会社に対し1人あたり6,000円(慰謝料5,000円、弁護士費用1,000円)の損害賠償責任を認めたんだ。
また、平成19年2月8日判決のTBC個人情報流出事件では、裁判所は迷惑メールを受け取るなど2次被害を受けた原告1人あたり35,000円(慰謝料30,000万円、弁護士費用5,000円)の損害賠償責任を認めたんだ。
ストレスチェックの結果は、個人のストレス状態が記載されているからセンシティブな情報と言えるよね。だから、上記の判例と比較してより多額の損害賠償責任が認められと考えられる。

3.守秘義務違反とは?
ストレスチェックや面接指導の実施者またはその他の実施事務従事者は労働安全衛生法第104条に基づいて守秘義務が課せられるんだ。そして、この守秘義務に違反した場合は、労働安全衛生法第119条1項に基づいて、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があるんだよ。